書類選考を通過し、面接の日程が決まった。本来なら、ほっとするはずの知らせです。
それなのに、頭に浮かぶのは「採用担当者が、自分の名前を検索したらどうしよう」という心配ばかり。昔の逮捕記事が、今も検索結果に出てくることを知っているからです。
面接の準備をしようとしても、気づくと自分の名前を何度も検索している。そんな日が続いていないでしょうか。
面接の準備より先に、不安が来てしまう
志望動機を考えるよりも、「記事を見られたらどう説明しよう」と考える時間のほうが長くなってしまう。これは、多くの方が経験していることです。
今の仕事ぶりや人柄を見てほしいのに、過去の記事一つで判断されるかもしれない。その怖さから、応募そのものをためらってしまう方もいます。
「自分が悪かったのだから仕方ない」と思いながらも、どこかで「もう一度、普通に働きたい」と願っている。その両方の気持ちがあるのは、自然なことです。
転職の場面で悩む人は、実は多い
最近は、採用の過程で応募者の名前をネットで確認する会社もあると言われています。そのため、転職をきっかけに、ネット上の過去の記事が気になり始める方は少なくありません。
逮捕から何年もたち、今はまじめに働いている方ほど、「この記事さえなければ」という思いを強く抱えています。
一般の人は、採用の場面をどう見ているのか
「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」のアンケートでは、就職などの人生の節目で過去が明らかになることについて、一般の方に意見を聞いています。
就活や結婚時の身辺調査、入居審査、銀行ローンといった場面で犯罪歴があると、「更生の余地」よりも「リスク要因」として一括りに扱われ、説明の機会すら与えられない排除が起こりやすいと思います。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
この声は、面接を控えた方の不安をそのまま言い当てているかもしれません。
ただ、裏を返せば、「説明の機会がないこと」が問題だと感じている人がいる、ということでもあります。検索で最初に目に入る情報を把握しておくことは、その機会を自分で準備することにつながります。
だからこそ、過去ではなく「今」と「これから」を評価し、やり直すための実務的なチャンスを用意するべきです。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
これは、社会が更生のチャンスを与えるべきかという質問への回答です。
「今」と「これから」を見てほしい。そう考えているのは、当事者だけではありません。社会の側にも、同じように考える人がいます。
約60名の回答を分析したところでは、社会復帰を目指す人を「積極的に応援したい」という人が約30%、「反省と行動が伴えば支持する」という条件付きの人が約50%という傾向が見られました。条件付きの人が多いということは、今の行動が見られているということでもあります。
面接前に知っておきたい、記事が見つかる仕組み
採用担当者が名前を検索すると、検索エンジンは、ネット上にあるページの中から名前に関係するものを表示します。
元のニュース記事が消えていても、その文章を転載したまとめサイトや掲示板が残っていれば、そちらが表示されます。
また、同姓同名の人がいる場合、検索結果の出方は人によって大きく異なります。自分では「すぐ出てくる」と思い込んでいても、実際に確認すると、地域名などを組み合わせないと出てこないケースもあります。
まずは、「実際にどう見えているか」を落ち着いて確かめることが大切です。
よくあるケース
名前だけで検索すると、1ページ目に記事が出るケース
もっとも不安が大きい状態です。どのサイトの記事なのか、元の報道か転載かによって、考えられる対応が変わります。
「名前+地域名」で検索したときだけ出てくるケース
名前だけでは出てこなくても、組み合わせ次第で表示されることがあります。どの組み合わせで出るのかを把握しておくと、状況を整理しやすくなります。
10年以上前の記事が、今も残っているケース
年数がたっていても、記事がネット上に残ることはあります。経過年数は大切な事情の一つですが、それだけで対応が決まるわけではありません。
SNSや掲示板に、名前と事件が書き込まれているケース
報道記事とは別に、個人の書き込みが残っていることもあります。サイトごとに規約や窓口が異なります。
よくあるご相談例
ここでは、よく寄せられるご相談の流れを、一般化してご紹介します。
①相談前の不安
転職活動を始めたが、面接が近づくにつれて、名前を検索されることが怖くなった。応募を取り下げようかと迷っていた。
②ネット上に残っていた情報
元のニュース記事は見当たらなかったが、名前と地域名で検索すると、転載された掲示板のページが表示された。
③確認・整理したこと
どの検索の組み合わせで何が出るのかを一覧にし、それぞれのページの運営者と窓口を確認した。面接で聞かれた場合にどう答えるかも、あわせて考えた。
④その後の気持ち
「何が、どこまで見えるのか」が分かったことで、面接の準備に気持ちを向けられるようになった、という声がよく聞かれます。
何から始めればいいか
- 自分の名前で検索し、1〜2ページ目に表示される内容を確認します。
- 「名前+地域名」「名前+前の勤務先」など、採用担当者が試しそうな組み合わせでも検索します。
- 表示された記事や書き込みのURLと、公開日をメモしておきます。
面接を控えた時期に、自分の名前を何度も検索するのは、思っている以上に疲れる作業です。本来なら面接の準備に使いたい時間と気持ちが、そちらに取られてしまいます。
検索結果をまだ全部は確認できていない段階でも、相談はできます。相談したからといって、依頼しなければならないわけではありません。
面接の日までに、せめて今の状況だけでも把握しておきたい。そう思ったら、確認の作業を誰かと分け合うという方法もあります。
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