ネット上の犯罪歴が見つかって解雇された…それは適法なのか?再出発のために知っておきたいこと
はじめに
「勤務先に犯罪歴が知られてしまい、解雇されました。」
このようなご相談を受けることがあります。
突然職を失い、生活への不安や将来への絶望を感じる方も少なくありません。
しかし、まず知っていただきたいことがあります。
それは、「犯罪歴が見つかった」という理由だけで、必ずしも解雇が認められるわけではないということです。
一方で、業務内容や採用時の経緯、会社への影響などによっては、解雇や雇用継続が難しいケースもあります。
つまり、結論は一律ではありません。
この記事では、企業が犯罪歴を知った場合にどのような判断をするのか、そして社会復帰を目指す上で大切な考え方について解説します。
犯罪歴が判明しただけで解雇できるとは限りません
日本では、解雇は会社が自由に行えるものではありません。
労働契約法では、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない解雇は無効となる可能性があります。
そのため、
「犯罪歴があることが分かった」
という事実だけで直ちに解雇が認められるとは限りません。
例えば、
- いつの出来事なのか
- どのような内容だったのか
- 現在の業務との関係があるのか
- 入社時に虚偽の申告があったのか
- 会社の信用や安全にどの程度影響するのか
など、さまざまな事情を総合的に考慮して判断されます。
一方で、企業にも守るべき責任があります
企業は従業員だけでなく、
- お客様
- 取引先
- 他の社員
- 株主
- 地域社会
に対しても責任を負っています。
例えば、
金融機関で横領歴がある場合
介護施設で利用者への暴力事件があった場合
会社の業務と密接に関係する犯罪だった場合
などは、企業が大きな不安を抱くことも理解できます。
採用や雇用継続は、一人の問題ではなく、多くの人の安心や信頼にも関わるからです。
「隠していたこと」が問題になるケースもあります
相談の中で比較的多いのが、
「犯罪歴そのもの」よりも、「会社に事実を隠していたこと」が問題になるケースです。
もちろん、すべての会社が犯罪歴の申告を求めているわけではありません。
しかし、採用時に質問された内容に対して虚偽の回答をした場合や、資格・経歴などについて重要な事実を偽っていた場合には、会社との信頼関係が損なわれることがあります。
企業にとって、信頼関係は雇用を続けるための土台です。
そのため、「何をしたか」だけでなく、「その後どのように誠実に対応したか」も重要な判断材料になります。
解雇された後に考えるべきこと
突然仕事を失えば、不安になるのは当然です。
しかし、その直後だからこそ冷静に整理することが大切です。
まず確認したいのは、
- 解雇理由は何だったのか
- 就業規則にはどのような定めがあるのか
- 解雇の手続きは適切だったのか
という点です。
場合によっては、労働問題として専門家へ相談した方がよいケースもあります。
一方で、今後の社会復帰を考えるのであれば、
「どうすれば信頼を積み重ねられるのか」
という視点も欠かせません。
過去を変えることはできません。
しかし、これからの行動を変えることはできます。
ネット上の犯罪歴が影響している場合もあります
近年は、会社がインターネット検索を行うことも珍しくありません。
過去の逮捕記事や報道が検索結果に残っていることで、採用や雇用に影響を与えるケースもあります。
ただし、ネット上の記事は、すべて削除できるわけではありません。
一方で、一定の条件を満たす場合には、削除請求や検索結果への対応が認められる可能性もあります。
重要なのは、「削除できる」と決めつけることでも、「絶対に無理」と諦めることでもありません。
まずは、自分の状況を正確に把握し、法律に基づいて対応を検討することが大切です。
まとめ
犯罪歴が見つかったことを理由に解雇されたとしても、その解雇が直ちに適法であるとは限りません。
一方で、企業には社員やお客様、会社全体を守る責任があり、犯罪の内容や業務との関係によっては、雇用継続が難しいケースもあります。
大切なのは、感情だけで判断するのではなく、法律上の問題と、社会からの信頼という二つの視点で考えることです。
社会復帰とは、過去を消すことではありません。
過去と向き合い、誠実な行動を積み重ねながら、少しずつ信頼を築いていくことです。
そのために必要なのは、正しい知識と現実を知ることです。
「知らないだけで損をする人を一人でも減らしたい」。
その思いを胸に、これからも社会復帰に役立つ情報を発信していきます。



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