結婚の話が進み、相手の両親にあいさつに行く日が決まった。うれしいはずなのに、胸の奥で小さな不安がふくらんでいく。
「もし相手の家族が、自分の名前を検索したら」。昔の実名報道が、今もネットに残っていることを知っているからです。
相手にはまだ話せていない。あるいは、相手には話したけれど、その家族にどう伝わるかが分からない。そんな状況で、一人で悩んでいないでしょうか。
大切な人がいるからこそ、苦しい
自分のことだけなら、まだ耐えられる。でも、結婚相手やその家族にまで嫌な思いをさせるかもしれないと思うと、急に怖くなる。
「黙っているのは不誠実ではないか」「でも、話したら全部が壊れてしまうかもしれない」。この二つの気持ちの間で揺れている方は、少なくありません。
相手を大切に思うからこそ悩む。それは、あなたが今の生活を真剣に考えている証拠でもあります。
結婚を前に悩む人は、あなただけではありません
結婚は、自分の過去と、相手の家族の目が重なる場面です。そのため、何年も気にせずに暮らしてきた方でも、結婚をきっかけに昔の報道が急に気になり始めることがあります。
「幸せな時期のはずなのに、夜になると名前を検索してしまう」。そうしたご相談は、決して珍しいものではありません。
一般の人は、結婚の場面をどう見ているのか
「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」のアンケートでは、結婚などの人生の節目や、家族への影響について、一般の方に意見を聞いています。
そして結婚時の身辺調査では相手や相手家族に不安を与え関係が破綻する恐れがあります。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
この回答は、多くの人が「結婚の場面で過去が影響しうる」と感じていることを示しています。
厳しい見方に聞こえるかもしれません。けれども、相手の家族が何を不安に思うのかを知っておくことは、どう伝えるか、何を整えておくかを考える手がかりになります。
配偶者は、愛情と社会的評価の間で引き裂かれ、「支える自分は正しいのか」と自責と孤立を深める。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
こちらは、家族への影響についての回答です。
結婚相手もまた、周囲の目と自分の気持ちの間で悩む可能性がある。そう考えると、ネット上の情報を整理しておくことは、自分のためだけでなく、相手を守ることにもつながります。
社会には「知る権利」がある一方で、法的な責任を果たした後もネット上の情報が半永久的に残り続けることで、就職や結婚などに大きな影響が出るのであれば、記事の削除や検索結果の非表示化を専門家に依頼することには一定の正当性があると思います。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
結婚への影響を理由に情報を整理することについて、「一定の正当性がある」と考える人もいます。
整理を考えることは、相手をだますことではありません。これからの生活を守るための、一つの選択肢です。
実名報道が、なぜ今も見つかるのか
実名報道の記事は、報道機関のサイトから消えた後も、転載サイトや掲示板、個人のブログなどに残っていることがあります。
また、検索エンジンは、そうしたページを自動で集めて表示します。そのため、「元の記事はもうないはず」と思っていても、名前を検索すると別のサイトの記事が出てくることがあります。
相手の家族が検索するとしたら、多くの場合は名前だけ、または名前と住んでいる地域を組み合わせて調べるでしょう。まずは、その検索でどう見えるかを確認することが出発点になります。
よくあるケース
名前で検索すると、実名報道の記事がすぐに出てくるケース
相手の家族が検索したときに、最初に目に入る可能性が高い状態です。記事がどのサイトにあるのかによって、確認すべき窓口が変わります。
記事は古いが、掲示板にまとめて転載されているケース
報道から時間がたっていても、掲示板やまとめサイトに残っていることがあります。書き込みの中に、事実と違う内容が混ざっていることもあります。
相手には話したが、相手の家族への伝わり方が心配なケース
相手が理解してくれていても、家族が検索して知る形になると、受け止め方が変わることがあります。どの情報がどこにあるかを把握しておくと、二人で話し合いやすくなります。
いずれのケースでも、対応できるかどうかは、記事の内容や経過年数、サイトの判断などによって異なります。
よくあるご相談例
よく寄せられるご相談の流れを、一般化してご紹介します。
①相談前の不安
婚約が決まり、相手の家族との顔合わせを控えていた。相手には過去のことを話していたが、家族に検索されることが心配だった。
②ネット上に残っていた情報
報道機関の記事は残っていなかったが、名前で検索すると、当時の記事を転載したまとめサイトが表示された。
③確認・整理したこと
表示されるページを一覧にし、それぞれの運営者と問い合わせ窓口を確認した。婚約者とも、どの情報が見える状態なのかを共有した。
④その後の気持ち
見えない不安を二人で共有できたことで、「隠しごとをしている」という重さが少し軽くなった、という声がよく聞かれます。
何から始めればいいか
- 自分の名前だけで検索し、表示される内容を確認します。
- 「名前+住んでいる地域」「名前+出身地」など、相手の家族が試しそうな組み合わせでも検索します。
- 表示されたページのURL、公開日、どんな内容が書かれているかをメモします。
- 事実と違う内容が書かれていないかも確認しておきます。
- 相手にどこまで話すか、いつ話すかを考えます。ネット上の状況を把握しておくと、話す内容を決めやすくなります。
- 判断に迷うときは、専門家に状況を伝えて、何から手をつけるかを一緒に整理してもらう、という選び方もあります。
結婚の準備をしながら、自分の名前を検索して記事を一つずつ確かめるのは、とても気力のいることです。うれしい出来事と不安が同時にあると、気持ちの置き場所がなくなってしまいます。
相手にまだ話せていない段階でも、相談はできます。依頼するかどうかは、話を聞いてから決めてかまいません。
顔合わせの日を、少しでも落ち着いた気持ちで迎えられるように。確認の作業を、誰かと一緒に進めるという選び方もあります。
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