ある日、知らないアカウントから通知が届きました。開いてみると、自分の名前と事件のことが書かれた投稿に、たくさんの反応がついていました。
ニュースの画像が貼られ、そこに見知らぬ人たちのコメントが次々と重なっていく。止めたくても、どうすることもできない。
スマホを見るのが怖いのに、つい開いてしまう。そんな状態が続いていないでしょうか。
見知らぬ人の言葉が、止まらない
ニュース記事なら、書かれていることはひとつです。けれどSNSでは、会ったこともない人たちが、好き勝手に言葉を重ねていきます。
中には、事実と違うことや、家族のことまで書かれていることもある。それを読むたびに、胸がえぐられるように感じる方もいます。
言い返したい気持ちと、何もできない無力感。その両方を抱えて、一人で耐えていないでしょうか。
SNSでの拡散に悩む人は増えています
SNSが身近になった今、ニュースをきっかけに名前や事件が投稿され、広がってしまうご相談は少なくありません。
記事よりも、投稿やコメントのほうがつらい。そう感じている方は多いのです。
拡散された投稿を、世間はどう見ている?
面白がって広げる人がいる一方で、「さすがにやりすぎだ」と感じている人もいます。
約60名の一般の方に、5つの質問でたずねたアンケートを分析したところ、ネットに情報が残ることについて「一生残るのは可哀想」と感じる人が45%いました。(アンケートの分析結果はこちら)
拡散を見ている人の中にも、同情する人が少なくないということです。
「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」には、次のような声がありました。
犯罪者本人だけでなく、家族までもが名前や住所を特定され、ネットで拡散される現代の状況は、まさに終わりのない私刑です。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
拡散を「私刑」と表現する人もいます。あなたが受けているつらさは、社会の側から見ても行き過ぎだと感じられているのです。
ただそれを執拗にWebや某SNSで「こいつは犯罪者だ」「こいつは過去にこんな悪いことをしたんだ」と批判し続けるのは違うと思う。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
「批判し続けるのは違う」と考える人がいます。拡散している人たちの声が、世間のすべてではありません。
ただ、多くの人は検索や投稿で目に入ったものから判断します。今どこまで広がっているのかは、相談の中で一緒に確かめられます。
SNSの投稿が削除や非表示になるかどうかは、投稿の内容や、事実と違う部分があるか、各サービスの規約などによって変わります。判断するのはそれぞれのサービスや検索サービスですが、あなたの場合にどう考えればよいかは、相談で一緒に確認できます。
SNSの投稿は、なぜ広がり続けるのか
SNSでは、一つの投稿が共有されるたびに、別の人の画面に届きます。そこにさらに感想が加わり、話が大きくなっていきます。
「元の投稿が消えれば、全部なくなるのでは」と思う方もいます。けれど、共有された投稿や、画像として保存されたものは、別の場所に残ることがあります。
「反論を書けば分かってもらえるのでは」と考える方もいます。気持ちはよく分かりますが、反論がきっかけで、かえって注目が集まってしまうこともあります。
感情が揺さぶられやすいSNSのことこそ、一人で動く前に、状況を整理できる人と考えたほうが安心です。
SNSでの拡散のご相談で多いケース
ニュース画像つきの投稿が共有されている
記事の画像が貼られ、たくさんの人に共有されている状態です。
コメント欄に、事実と違うことが書かれている
憶測や誹謗中傷が混ざっている状態です。
今のアカウントまで特定されている
現在使っているSNSに、事件のことを書き込まれている状態です。
いずれも、対応するかどうかは各サービスの判断によります。
SNSで拡散された方のご相談例
これまでご相談をお受けしてきた中で、よく伺う流れを一般化してご紹介します。
①相談前の不安
SNSで名前と事件が投稿され、共有が止まらず、スマホを見るのが怖くなっていた。
②ネット上に残っていた情報
ニュース記事の画像つきの投稿がいくつもあり、コメント欄には家族についての憶測もあった。
③相談の中で一緒に整理したこと
投稿の広がり方と、事実と違う部分をこちらで整理し、対応の考え方をお伝えした。
④その後の気持ち
一人で投稿を追いかけなくてよくなり、スマホを開く怖さが少しやわらいだ、という声がよく聞かれます。
拡散に悩むときの相談の進め方
- どんな投稿がつらいのか、話せる範囲で伺います。投稿を読み返していただく必要はありません。
- 投稿がどこまで広がっているかを、こちらで確認します。
- 事実と違う部分も含めて、対応の考え方をお伝えします。
- 依頼するかどうかは、説明を聞いてから決めていただけます。
通知が来るたびに胸が苦しくなるなら、それが相談のタイミングです。
見知らぬ人の言葉を一人で読み続けるのは、何度も傷口を開くようなものです。無理に全部を見る必要はありません。
どこまで広がっているのか分からない段階でも、相談はできます。相談することと、依頼することは別です。
通知の音に怯えずに過ごせるように。その重さを、ひとりで受け止め続けなくていいのです。
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