ある日突然、夫が逮捕されたという連絡が入りました。翌日には、ニュースサイトに実名の記事が載っていました。
自分は何もしていない。けれど、近所の人や職場の同僚、子どもの学校の保護者が、その記事を読んだかもしれない。
家の外に出るたびに、誰かの視線が気になってしまう。そんな毎日を送っていないでしょうか。
自分は何もしていないのに、という苦しさ
家族が逮捕されたとき、ご本人とは別の形で、家族も大きな苦しみを抱えます。
「支えなければ」という気持ちと、「どうしてこんなことに」という気持ち。その間で揺れながら、周りには弱音を吐けない。
家族として心配する気持ちも、自分の生活を守りたい気持ちも、どちらも本当の気持ちです。どちらかを責める必要はありません。
家族の立場で悩む人は、少なくありません
ネットの記事のご相談は、ご本人からだけではありません。配偶者やご家族から寄せられることも多くあります。
記事に書かれているのは本人の名前でも、住んでいる地域や勤務先から、家族まで結びつけられてしまうことがあるからです。
家族も、同じ目で見られてしまう?
そう感じる人がいるのは事実です。ただ、「家族まで責めるのはおかしい」と考える人も、世の中にはいます。
「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」では、逮捕歴が家族に与える影響について、一般の方に意見を聞いています。
配偶者は犯罪者の妻・夫として周囲の好奇の目にさらされ、親族も離れて行ってしまうことも少なくありません。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
家族が向けられる「好奇の目」を、はっきり言葉にした回答です。あなたが感じている視線は、気のせいではないのかもしれません。
家族自身は本人に対する心配や不安などの切実な思いでも、世間からは軽蔑されたり警戒されて、双方の気持ちの負担のストレスがあるかと思います。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
この回答者は、家族が「本人への心配」と「世間の目」の両方を背負うことを想像しています。家族の苦しみを理解しようとする人がいる、ということです。
世間の目の多くは、ネットの記事から始まります。家族として何が見えているのかを知ることは、相談の中で一緒にできます。
専門家の力を借りるのは、自分だけでなく家族の平穏な生活を守るための努力であり、今のネット社会において重要な再出発の権利だと考えています。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
専門家に頼ることを、「家族の平穏な生活を守るための努力」と見る人もいます。家族の立場から相談することも、その一つです。
報道の記事が削除や非表示になるかどうかは、記事が載っている場所や、事件のその後の経過などによって違います。判断は各サイトや検索サービスが行いますが、家族の立場からどう考えればよいかは、相談の中で一緒に確かめられます。
家族の生活にまで、記事が影響する理由
実名の記事には、住んでいる地域や年齢、勤務先などが書かれていることがあります。そこから、家族の生活と結びつけられてしまうことがあります。
「家族の名前は記事に出ていないのに、なぜ気づかれるのか」という疑問もよく聞かれます。同じ苗字や地域の情報から、周りの人が推測してしまうことがあるためです。
記事が掲示板などに転載されると、家族について憶測で書かれることもあります。
本人の手続きや生活の支えで手いっぱいの時期に、ネットのことまで家族が一人で確かめ続けるのは、あまりにも負担が大きいことです。
ご家族からのご相談で多いケース
記事に、住んでいる地域が書かれている
近所の人に知られていないか、心配が続く状態です。
掲示板で、家族のことまで書かれている
本人以外の家族について、憶測の書き込みがある状態です。
子どもに知られないか心配している
子どもや、子どもの周りの人が検索しないか気になっている状態です。
いずれも、状況によって考えられることは異なります。
ご家族から寄せられるご相談例
これまでご家族からお受けしたご相談の中で、よく伺う流れを一般化してご紹介します。
①相談前の不安
夫の逮捕が実名で報道され、近所や職場で知られていないかが気になって、外出がつらくなっていた。
②ネット上に残っていた情報
ニュース記事と、それを転載したまとめサイトがあり、住んでいる地域名も書かれていた。
③相談の中で一緒に整理したこと
家族の生活に関わりそうな情報をこちらで整理し、家族の立場でできる考え方をお伝えした。
④その後の気持ち
「家族の自分が相談してもいいんだ」と分かり、張りつめていた気持ちが少しゆるんだ、という声がよく聞かれます。
ご家族からの相談の流れ
- 今の状況と、家族として不安なことを、話せる範囲で伺います。匿名でのご相談も可能です。
- 家族の生活に関わりそうな情報が、どこにどう残っているかをこちらで整理します。
- 家族の立場から考えられる対応の方向をお伝えします。
- 依頼するかどうかは、ご家族で話し合ってから決めていただけます。
家族として少しでも苦しいと感じているなら、それが相談のタイミングです。
家族が逮捕されたとき、家族もまた、誰にも言えない苦しさを抱えます。ネットの記事のことまで一人で見張り続けるのは、心が持たないほどの負担です。
本人がどう考えているか分からない段階でも、相談はできます。相談することと、依頼することは別です。
家の外に出るたびに身構えなくていいように。家族の立場の悩みも、どうか一人で抱えないでください。
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