久しぶりに会った知人と、他愛のない話をしていました。別れ際、知人が少し声を落として言いました。「そういえば、ネットで記事を見たよ。大変だったね」。
笑ってごまかしたものの、帰り道はずっと頭が真っ白でした。
「あの人が知っているなら、ほかの人も知っているのでは」。その日から、人と会うたびに相手の顔色をうかがっていないでしょうか。
知られていた、というショック
「もしかしたら」と思っていたことが、現実になった瞬間の衝撃は大きいものです。
知人に悪気はなかったのかもしれません。それでも、自分の知らないところで記事が読まれていたと分かると、足元が崩れるように感じます。
誰がどこまで知っているのか分からない。その不安が、人と会うこと自体を怖くさせてしまいます。
同じ経験をした人は少なくありません
「知人に言われて、初めて記事が読まれていると実感した」。これは、相談を考えるきっかけとしてよく伺う話です。
言われたのは一度でも、そのあとの不安は長く続きます。
記事を見た人は、ほかにもいる? どう思っている?
見た人がほかにもいる可能性はあります。ただ、見た人が全員、あなたを責めているわけではありません。
「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」では、逮捕歴が本人や家族に与える影響について、一般の方に意見を聞いています。
犯罪歴について知人から触れられたり、ニュースで流れるかもと怯える生活を強いられると思います。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
知人から触れられることへの怯えを、当事者でない人も想像しています。あなたが今感じている不安は、多くの人に理解されうるものです。
見知らぬ誰かが面白半分で書き込んだ掲示板の内容が、本人の今の努力よりも重視される社会は、更生を望む人にとってあまりに不寛容だ。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
ネットの書き込みが今の努力より重視されることを、「不寛容」だと感じている人もいます。記事を見た人の中にも、同じように考える人はいるはずです。
専門家の力を借りて、新しい人生のスタートラインに立つことは、社会復帰への前向きな努力として評価されるべきです。
(一般市民アンケートより/「犯罪歴と社会復帰研究 リアルな本音100事例」)
専門家の力を借りることを、前向きな努力として見る人がいます。
誰がどこまで知っているかは分からなくても、ネット上に今何が見えているかは確かめることができます。それは相談の中で一緒にできます。
記事が削除や非表示になるかどうかは、掲載先や経過年数、記事の内容などによって変わります。判断するのは各サイトや検索サービスですが、あなたの場合にどうなりそうかは、相談で一緒に確認できます。
知人は、どこで記事を見たのか
知人が記事を目にするきっかけはさまざまです。名前を検索した、SNSで共有されていた、地域のニュースで見かけた、などが考えられます。
「知人が見たなら、もう周り中に知られているのでは」と不安になる方もいます。実際には、見た人の数も、どこで見たかも人によってさまざまです。必要以上に悪く考えてしまうのは、全体像が分からないからです。
「知人に、何を見たのか聞くべきか」と迷う方もいます。聞くのはつらいことですし、聞いたことでかえって話題が広がることもあります。
誰が知っているのかを想像し続けるより、ネット上に何が残っているかを知るほうが、心の負担は小さくなります。
このような経験をした方のご相談で多いケース
知人に言われ、記事が読まれていると知った
ほかにも知っている人がいるのではと、不安が続いている状態です。
SNSで記事が共有されていた
知人の間で、記事が回っていた可能性がある状態です。
人と会うことが怖くなった
相手の顔色をうかがい、人付き合いを避けている状態です。
いずれも、状況によって考えられることは異なります。
「ネットで見た」と言われた方のご相談例
これまで伺ってきたご相談の中から、よくある流れを一般化してご紹介します。
①相談前の不安
知人に記事のことを言われ、ほかにも知っている人がいるのではと、人と会うのが怖くなった。
②ネット上に残っていた情報
当時の記事と、それがSNSで共有された投稿が残っていた。
③相談の中で一緒に整理したこと
知人が目にしそうな情報をこちらで整理し、対応の考え方をお伝えした。
④その後の気持ち
ネット上の状況が分かったことで、人と会うときの不安が少しずつ小さくなった、という声がよく聞かれます。
不安を話すところから始まる相談の流れ
- 知人に言われたときのことや、今の不安を伺います。匿名でも構いません。
- 知人が目にしそうな情報を、こちらで確認します。
- 状況に合わせた対応の考え方をお伝えします。
- 依頼するかどうかは、説明を聞いてから決めていただけます。
人と会うたびに顔色をうかがってしまうなら、それが相談のタイミングです。
誰が知っているのか分からないまま、人と会うたびに身構え続けるのは、とても疲れることです。
何を話せばいいか分からなくても、相談はできます。相談することと、依頼することは別です。
また安心して人と会えるように。その不安を、ひとりで抱え込まなくていいのです。
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